<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 題張氏隱居二首 一>
<Format: 格式不明>
<Year: 1965>
<BookName: 唐詩選　下>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 張氏（ちゃうし）の隱居（いんきょ）に題（だい）す>
<BookPage: 109>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
春山無伴獨相求，
伐木丁丁山更幽。
澗道餘寒歷冰雪，
石門斜日到林丘。
不貪夜識金銀氣，
遠害朝看糜鹿遊。
乘興杳然迷出處，
對君疑是泛虛舟。
<End Poem>
<Translation>
春の山を、道づれもなく、たったひとりで張氏の隱宅を尋ねてゆく。木を伐る音が チョーン、チョーンと響いてきて、かえって山の靜けさをいっそう奥深くしている。 谷川ぞいの道にまだ寒さがただようているところを、氷りついた残りの雪を踏んで、 石門山に日あしが傾くころ林のある小高い丘に達した。
君は無慾恬淡で貪ぼる氣がないから、萬物の静まった夜など地下に埋もれた金銀の山に隠れ、無心の境地にいられるので鹿なども恐れず近づいてきて遊ぶのが見られる。わたしもここへやって來て、興に乘ずるままに、心もほのかに遠くなって、さてこれから出てゆくべきか、じっと、とどまっているべきか、どうしたらよいのかわからなくなった。君とむかいあっていると、君こそは、まるで莊子のいわゆる空船のようにおのれを空しうして世に處している達人ではあるまいかと思われてきた。
<End Translation>
<Formatted Translation>
春の山を、道づれもなく、たったひとりで張氏の隱宅を尋ねてゆく。
木を伐る音が チョーン、チョーンと響いてきて、かえって山の靜けさをいっそう奥深くしている。
谷川ぞいの道にまだ寒さがただようているところを、氷りついた残りの雪を踏んで、
石門山に日あしが傾くころ林のある小高い丘に達した。
君は無慾恬淡で貪ぼる氣がないから、萬物の静まった夜など地下に埋もれた金銀の山に隠れ、
無心の境地にいられるので鹿なども恐れず近づいてきて遊ぶのが見られる。
わたしもここへやって來て、興に乘ずるままに、心もほのかに遠くなって、さてこれから出てゆくべきか、じっと、とどまっているべきか、どうしたらよいのかわからなくなった。
君とむかいあっていると、君こそは、まるで莊子のいわゆる空船のようにおのれを空しうして世に處している達人ではあるまいかと思われてきた。
<End Formatted Translation>